これまで不動産投資とひと口に言ってきましたが、手法はさまざまです。
ワンルーム(区分マンション)への投資をはじめ、一棟物のアパートやマンションへの投資など、多くのやり方が存在します。また、新築に投資するか中古に投資するかということも考えねばなりません。
不動産投資初心者の場合、手法の選択に頭を悩ますところでしょう。
その際、選択すべきではない手法もあります。
数ある手法の中で唯一おススメできないやり方が、新築ワンルームマンション投資です。
理由ははっきりしています。キャッシュフローが出にくい投資手法だからです。
もっというと、キャッシュフローが赤字となる場合が少なくないのです。
投資対象となる新築ワンルームは、東京や大阪など大きな都市の好立地エリアに建てられているケースがほとんどです。立地の良さから賃貸需要は文句なし。
新築なので金融機関からの融資を引きやすく、一棟物のアパートやマンションに比べると価格も安い。
そんな見立てから、投資初心者のサラリーマンでも手軽に始められそうだと思ってしまうのですが、いざやってみると落とし穴待っています。
一番のネックは、利回りが極端に低いことです。
大都市の新築ワンルームの利回りは5~6%台。となると、家賃収入から銀行へのローン返済、管理費や修繕費などを差し引くとプラスにならず、マイナスになってしまうのです。
私が見聞きしたケースでは、毎月2~3万円程度の赤字となり、自身で支払っているというサラリーマン投資家さんが何人かいました。
では、なぜ赤字にもかかわらず、新築ワンルームマンション投資に取り組む人がいるのか。
それは物件を売る業者のセールストークでもあるのですが、「生命保険や年金の代わりになる」「節税になる」というのを真に受けてしまっているからです。
保険、年金、節税と言われると魅力に感じますが、正直、赤字の受け入れに見合うものではないでしょう。
また、その役割や効果にも疑問符がつきます。したがって、おススメとは言えません。
中古ワンルームの場合は、割安な価格で売られてる物件もあるため、新築よりは高い利回りを望めます。
しかし、新築に比べて金融機関の審査が厳しかったり、融資を受けられる期間が短くなったりしてしまうのがネックです。それによって収支の悪化を招くのです。
ですから中古ワンルームでは立地の選定、融資の条件や収支バランスなどを見極めるのが必要不可欠になります。