一棟物のアパートやマンションへの投資はどうでしょうか。
新築、中古の観点も踏まえて考えてみましょう。
アパートとマンションの価格を比較すると、アパートのほうが安くなります。
立地にもよりますが、アパートは一棟数千万円のものが中心で、マンションのほうは一棟数千万円以上から億単位のものまであります。
アパートとマンションでは建物の構造が異なり、アパートは木造、マンションは主に鉄骨造や鉄筋コンクリート造(略称RC)です。
建物の構造は金融機関からの融資に関係します。
構造ごとに法定耐用年数が決められていて、その年数がローン期間の目安とされます。
一棟アパートは木造なので、法定耐用年数22年。ローン期間の目安は新築で22年ということです。
中古の場合は法定耐用年数から築年数を引いた期間が適用され、築10年なら「22年引く10年」で12年です。
一方、一棟マンションの法定耐用年数は鉄骨造が34年、RCが47年。
ローン期間の目安は新築でそれぞれ30年以上ということです。中古の場合の捉え方は木造と同じです。
一棟マンション投資は物件価格が高額となるものの、法定耐用年数の長さから長期間のローンを組めるため、十分なキャッシュフローを狙えます。
中古でも同様に長期のローンを望めます。したがって、順調に運営できれば、毎月給料以上のキャッシュフローを得ることも可能です。
ただし、不動産投資初心者がいきなり一棟マンション投資に挑むのは、ハードルが高いと言わざるを得ません。
なぜなら、不動産投資手法の中で難易度が高く、リスクも高い。物件規模の大きさから、設備やその管理費も高い。さらに物件の価値を維持していくための修繕費も高くなるからです。
一棟マンション投資はある程度の経験を積み、資金を蓄えてから臨むのが正解と言えるでしょう。
対して一棟アパート投資は物件価格が安く、設備費や管理費も安くすみます。
中古だと早々に修繕費を見積もらないといけないですが、新築なら大規模修繕(外壁や屋根の塗装など)は15年ないし20年に1回のレベルです。
しかし、木造ということで法定耐用年数は鉄骨造やRCのマンションより短くなります。
中古は築年数がマイナスされるので、もっと短くなります。
とはいえ、新築の場合、高い入居率と安定した家賃収入を望めるため、立地が良ければフルローン(自己資金なしですべて金融機関からの融資で調達できるローンのこと)も可能です。
物件の構造によっては法定耐用年数の22年を超えた長期のローンも可能となり、十分なキャッシュフローを狙えます。
そして何より、新築であれば不動産投資手法の中で難易度、リスクともに低く、初心者向きといえるわけです。
以上の話を踏まえると、マンションよりアパート、中古より新築が望ましいことがわかり、初心者におススメなのは新築一棟アパート投資(以下新築アパート投資)と判断できます。
= 主な住居の法定耐用年数 =
構造 | 耐用年数(年) |
木造・合成樹脂造 | 22 |
木骨モルタル造 | 20 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(SRC・RC) | 47 |
れんが造・石造・ブロック造 | 38 |
金属造(鉄骨造) 骨格材の肉厚が4㎜を超えるもの 3㎜を超え、4㎜以下のもの 3㎜以下のもの |
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34 | |
27 | |
19 |