前述した福岡市内を投資対象とする「街中戦略」は王道路線。しかし、総じて土地の値段が高く物件価格も高いため、手を出せない人も出てくるでしょう。
対して福岡市以外の市を投資対象とする「田舎戦略」は穴場路線。総じて土地の値段が安く物件価格も高いため、「勝てる立地」を見極められたら、不動産投資、賃貸経営を有利に進められます。
田舎戦略において、私たちがどんなデータを駆使して土地仕入れを行っているのか。
一部を明かしましょう。
まず福岡県内の市区別・賃貸物件の空室率をチェックし、福岡市の空室率を大きく下回るエリアに注目します。
福岡市7区の賃貸物件の空室率は20%前後です。対して、古賀市、直方市、田川市、大川市、大牟田市などがその空室率を大きく下回るエリアです。
次に、賃料相場と坪単価を確認します。賃料相場は私たちが提供する物件の間取り(1LDK)を基本とします。
福岡市以外の市の中には、単身者向けの賃貸住宅の供給が少なく、賃料相場が福岡市並みのエリアがあります。
一方、坪単価は福岡市より低い水準のエリアがほとんどです。
2つの指標から、「福岡市並みに賃料相場が高く、一方で坪単価は低い」というエリアが、収益性に優れることが読み取れます。該当するエリアは、田舎戦略の不動産投資に適しているといえるのです。
119ページを見てください。田舎戦略で勝てる不動産の構造を図にして、福岡市内の不動産と比較したものです。
田舎戦略で狙う福岡地方エリアの場合、物件価格は安いのに、賃料は福岡市と同等となることから、高利回りが得られます。
2019年8月時点のデータでは、朝倉市、大牟田市、田川市、大川市などが該当します。
逆に、利回りがとりにくいエリアもあります。
賃料相場は福岡市並みに高いものの、坪単価も高いエリアだと、収益が出づらくなってしまうのです。筑紫野市、大野城市、太宰府市などが該当します。
また、高い利回りを望める一方、リスクが高いエリアもあります。
坪単価は低いものの、空室率が高く、需要も低いエリアだと、ハイリスクです。飯塚市、豊前市、うきは市、みやま市などが該当します。