今回のコラムでは、フリーレントについて解説していこうと思います。
まず初めに、フリーレントとは...
一定期間、家賃を無料で入居者に貸し出すことです。
しばらく空室が続きそうな物件を借りやすい条件にすることで早く入居者に入居してもらう狙いがあります。空室期間が長くなり家賃収入がない状態が続くよりも家賃収入を得るために最初の1,2か月の家賃を無料にして空室期間を短くするという考えになります。
フリーレントのメリットとは...
■メリット1 入居付けがしやすくなる
入居希望者へ家賃負担が減ることをアピールするのに効果的です。入居者にとって初期費用を少しでも抑えることができるのは物件を決めるうえで大きなポイントになります。早期に入居付けを行い空室の期間を短くすることができれば、フリーレント期間以降は家賃収入を得ることになりますので、メリットは大きいと言えます。
■メリット2 家賃を下げなくて済む
新しく入居者を募集する際に建物の築年数が経過している場合、家賃を値下げする場合があります。フリーレントで初期費用を抑えることで、家賃を値下げすることなく入居がつけばその必要がなくなり、利回りの低下を回避できます。将来的な出口戦略としても効果的です。
■メリット3 資産価値の低下を回避できる
家賃を値下げして募集した場合、既に入居中の同じ間取りに住んでいる方から値段交渉をされる可能性があります。家賃を値下げしてしまうと収益が下がることはもちろんのこと、賃貸物件そのものの資産価値も下がってしまいます。その点フリーレントの場合は資産価値の低下を回避しながら空室対策を行うことができます。
フリーレントのデメリットとは...
■デメリット1 収益悪化のリスクがある
フリーレントの期間というのは、家賃収入が発生しないということになります。フリーレントを多用しすぎると収益が下がり、経営悪化につながってしまいます。同一期間にフリーレントで空室が埋まった場合、満室だがその分の家賃が入らない状態になります。もちろん受け取る家賃の総額も本来の金額より少なくなります。運営費や融資の返済費用などに必要な費用とのバランスをきちんと見極めておく必要があります。
■デメリット2 入居者の短期解約の恐れがある
フリーレントの期間終了後に短期間で入居者に退去されてしまうと家賃収入を得る期間が短くなり、入退去時にかかる清掃費用やリフォーム費用などの出費を考えると、収入以上に費用がかさみ、収支が悪くなるケースもあります。短期解約を防止するために一定期間内の退去に関しては違約金を取るなどの対策を打ちましょう。
空室を埋めたいばかりに必要以上にフリーレント期間を取ってしまうと収支が悪くなる結果につながりかねないので、適切なフリーレントの期間設けるように心がけましょう。
フリーレントは空室対策として効果的ですが、物件の購入を検討する際、注意が必要な場合もあります。それは、フリーレント期間中の入居者が多くいる場合です。業者によっては、入居率を高くするためにフリーレントを利用して短期的な入居者を入居させているケースや利回りを高く見せるために相場より高い家賃で入居付けを行っている可能性もあります。きちんと確認をして物件購入に進みましょう!