不動産の所有者が変更になった際は、必ず所有権移転登記を行う必要があります。所有権移転登記を行っていないと、自分の所有権の主張ができません。不動産の所有権を証明する重要な手続きですので、ぜひ理解しておきましょう。
★所有権移転登記とは・・・
売買や贈与、相続などにより、土地や建物の所有権が移転した際に所有権を明確にするために行う登記のことです。登記が完了すると法務局で所有者の情報をどなたでも閲覧することが可能になります。
■所有権移転登記が必要なとき
・不動産を売却・購入したとき
売主と買主が共同で行います。基本的に引渡しの際に移転登記の申請を行います。
・親などから生前贈与などで不動産を贈与されたとき
親族から生前贈与された場合、所有権移転登記を行っていない場合があります。不動産を贈与
した親族が死亡した際にほかの相続人とトラブルになる可能性もありますので、贈与を受けた
際は移転登記を必ず行っておきましょう。
・不動産を相続したとき
不動産の所有者が相続人に変更になります。相続に伴う所有権移転は遺言書、遺産分割協議、
法定相続などの原因により必要書類が異なります。
・不動産を分与するとき
離婚などの財産分与で不動産の名義が変更になる場合も所有権移転登記が必要です。
■所有権移転登記をするために必要な書類
・本人確認書類
・登記申請書
・売買契約書等
・登記済証、登記識別情報
・印鑑証明書
・住民票
・固定資産評価証明証
・司法書士への委任状(所有権移転登記は、自分で行うこともできますが、一般的に司法書士に
依頼しますので、司法書士に依頼した場合のみ必要です)
所有権移転登記は、民法177条に「不動産に関する物件の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない」と定められています。
売主が複数の買主との間で、特定の不動産を売却する旨の契約を締結を行った場合、登記を先に行った買主が所有権を取得できます。先に契約を行っていたとしても所有権移転登記を行っていなければ、所有権を主張できません。
上記のようなことを防ぐためにも原則として売主からの不動産の引渡しと同時に行うことになっていますが、不動産を購入する場合は、事前に所有権移転登記のタイミングを不動産会社に確認しておくことをお勧めします。
所有権移転登記は非常に重要な手続きです。その重要性をきちんと理解し、不動産を取得したら早めに登記を行いましょう。