オーナーチェンジ物件購入前のリスクの見極め方

前回のコラムに引き続き、オーナーチェンジ物件についてお話ししていきます。以前のコラムではオーナーチェンジ物件の魅力や注意点について紹介してきました。

今回のコラムでは、物件を実際に購入する際のポイントについて解説していきます。

 

チェックポイント1 入居率の把握

オーナーチェンジ物件を購入する上で入居率を正確に把握しておくことはとても重要になります。募集図面には満室記載がされているが、実際は売主が用意した「見せかけの入居者」というケースもあります。一時的に空室を埋めるために入居させている場合もありますので注意が必要です。

入居率を正確に把握するために、全入居者の賃貸契約期間の確認を行いましょう。契約開始が直近1ヶ月の間の場合、満室を偽装をするための入居の可能性もありますので、売主に入居の経緯などを聞いて不自然な点がないか調べましょう。

また、契約更新が近づいている入居者がいないかも確認しておきましょう。入居者が更新せずに退去する可能性が考えられます。一般的に退去予告は1か月前のため、契約期間満了まで2か月を切っている入居者がいる場合、更新するかどうかの回答が出ている可能性もあります。売主に退去する人がいないか聞いてみてください。売主の中には、更新しない部屋があることを知りながら黙っていることもありますので、注意が必要です。

 

チェックポイント2 修繕回数や時期の確認

旧オーナーが修繕をおろそかにしている物件だと購入後に修繕やリフォームの費用の負担が大きくなる可能性があります。そのようなことを防ぐために修繕履歴で外壁塗装や屋根の防水工事などの修繕工事がいつ行われたのか確認を行いましょう。

不動産投資をきちんと行っている人は、修繕履歴を残しているのが一般的です。逆に、修繕履歴を残していない物件は、オーナーまたは管理会社の管理がきちんとできていない証拠です。修繕がしっかり行われているかは、物件の資産価値を維持するためだけでなく、入居者へも影響を与えます。

オーナーチェンジ物件を購入する際は、どのような修繕をいつ頃行ったのか確認することが大切です。

 

チェックポイント3 売却理由の確認

オーナーチェンジ物件を購入する際、売却理由の確認をすることをおすすめします。高利回りの物件は特に確認した方が良いでしょう。高利回りであれば売りに出さなくてもいいはずなのに、売りに出ているので訳アリの可能性も考えられます。

まずは購入しても大丈夫な購入理由について紹介します。

■問題ない売却理由

・高齢になり、管理が難しくなったケース

・事業規模の拡大などでほかの収益物件に買い替えるケース

・遺産分割目的による売却のケース

・一時的にまとまったお金が必要になったケース

上記のような売却理由であれば、物件に問題があるというわけではないので、購入しても問題ないでしょう。

■注意が必要な売却理由

・家賃を滞納している入居者がいるケース

・入居者や近隣と何らかのトラブルを抱えているケース

・物件が重大な欠陥を抱えているケース

上記のような物件や入居者に問題がある理由で売却されているケースがあります。その場合、購入後の運用に影響を及ぼす可能性がありますので、注意が必要です。ネガティブな売却理由を聞きだすのはなかなか難しいことですが、管理会社などを通して本当の売却理由を確認するようにしましょう。

 

オーナーチェンジ物件は購入後すぐに家賃収入が得られ、投資計画が立てやすいので魅力的ですが、これまでのコラムでご紹介したような注意点もあるのも事実です。想定外のトラブルに巻き込まれないためにも事前にきちんと確認を行っておきましょう!

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